2009年10月8日木曜日

脂肪燃焼でやせる?(09.10.08)

 減量目的の場合、「有酸素運動は20分くらい継続すると、脂肪が燃え始めるので20分以上運動しましょう。運動強度は60%程度が、脂肪が燃えやすくなります」という運動方法が紹介されることがあります。
 安静時には「糖と脂肪」が1:2の割合で使われています。強度や運動の仕方で「糖と脂肪」の消費比率は変化します。運動開始時や運動強度アップ時には糖の使用比率が高まりますが、実際には安静時でも運動時でも、常に両方のエネルギー源が使われています。

 「脂肪を減らしたいので、脂肪をエネルギーとして消費したい」という発想は理解出来ます。しかし、一般の人が減量のために運動する場合は、運動時のエネルギーが脂肪であろうが、糖であろうが結果に変わりはありません。



日本人は摂取エネルギーの6割程度を糖でとっています。総摂取カロリーを2000kcalとすれば、その内の1200kca程を糖で摂取していることになります。
 糖の体内貯蔵エネルギーは2000kcal程度です。消費分は糖の摂取で補充されますが、余剰分は脂肪に変換されます。
 仮に、脂肪を効率的に消費し、糖の消費を抑えたとしても、それは糖の体内貯蔵の減少量が小さいということであり、食事で摂った糖の余剰が増え脂肪へ変わる量が増えることを意味しています。
 体内に貯蔵された糖の消費が大きくなれば、糖の余剰による体脂肪変換量も減ることになります。つまり、糖をエネルギーとして使うことも体脂肪の減少につながるということです。
 ポイントは、消費カロリーを大きくすることであり、「脂肪燃焼」という言葉に惑わされる必要はありません。