2009年11月5日木曜日

筋のアンバランスと代償運動(09.11.05)

 人間の身体の便利さともいえますが、特定部位の筋弱化があっても隣接する筋が肩代わりして働く(代償運動)などの仕組みにより、本来ならば不自由になるはずの動作も不自由なくできてしまうことがあります。
 このような場合は本人も気がつかないまま、ある部分の機能低下が放置されてしまうことになります。バランスボールを使った難しいエクササイズでも、機能低下している部位を補う代償システムにより、上手く動作できてしまうかもしれません。

 人は得てして、トレーニングもストレッチも前後左右バランスよくやらなければならないと考えますが、筋力や柔軟性に大きな左右差や拮抗筋間のアンバランスがある場合は、弱い部分を強く、硬い部分を柔らかくするという取り組みが必要です。
 筋のアンバランスを抱えたまま、身体活動やスポーツ活動を行うことで、気がつかないうちに代償運動が強調され、弱い筋肉は機能しないまま、強い筋肉がより強く働くことで強弱・硬軟のアンバランスが鮮明になり、筋バランスがさらに大きく崩れてしまうことが考えられます。
 このようなバランス不良は、ヒザ痛、腰痛など運動器のトラブルやスポーツパフォーマンスの低下につながる可能性があるので注意が必要です。