2010年8月5日木曜日

原因を排除するという考え方(10.08.05)

関節 関節をまたいで筋肉が骨についており、筋肉を縮めることで動作が起こります。したがって、しっかりと動作を行うためには、適度な筋肉の強さが必要です。このことは、筋肉を“鍛える”という発想につながります。しかし、動作に影響を及ぼす筋肉同士のバランスを調えるという発想も、忘れてはならないでしょう。

 ヒトには右利き、左利きがあり、右半身と左半身の使い方が異なります。よく使う筋肉は強くなり、使わない筋肉は弱くなります。当然の結果として「強い、弱い、柔らかい、硬い」筋肉が混在することになり、右半身と左半身、身体の前面と背面など互いに影響し合っている筋肉の強さや、柔軟性にアンバランスが生じ、ある方向には動きやすい、あるいは動きにくいなどの状況がおこります。

 誰もが、大なり小なり姿勢や動作のアンバランスを抱えています。片側半身をよく使うスポーツや、日常生活でも一方向に偏った動作を繰り返すことで、アンバランスがより鮮明になることも考えられます。このようなアンバランスを回復させる方法として、個別身体状況を考慮したオーダーメイドのストレッチやトレーニングがとても有効です。

 さらに言えば、このような対症療法的なアプローチと同時に、そこへ至った原因と考えられる動作や行為に気づき、それを排除していくという考え方も必要でしょう。
 何事にも、原因があって結果があります。原因を放置し、結果へのアプローチのみを繰り返すだけでは、何度でも元のアンバランスな状態に戻ってしまう恐れがあるからです。