2010年9月2日木曜日

親が死んでも食休み(10.09.02)

  “腹がへっては戦ができぬ” という言葉があります。空腹では力が出ないので、活動前には食事をとるべきという意味です。一方で、“親が死んでも食休み”という言い伝えもあります。消化器官に負担をかけないように、食後は休むことが重要であると訴えています。 食事・活動・休息の順番について、前者は食事→活動、後者は食事→休息とそれぞれ正反対の主張をしていることになります。

 農耕時代に現れた支配者に対して、働かされる方の被支配者は“腹がへっては戦ができぬ”と食事を要求し抵抗します。食事をとると眠くなるので、支配者は“食べてすぐ寝ると牛になる”とたしなめ、労働強化をしたという説があります。 食後は副交感神経が優位になることを考えれば、生理学的には“親が死んでも食休み”ということになりますが、空腹で低血糖状態になれば力が出せないということもあるでしょう。


食事  このようなことを考えると、栄養素やカロリーについての情報は多いのですが、それを食す時の心身の状態と栄養吸収との関係や、食事・活動・休息の順番やタイミングに関する情報がとても少ないことが気になります。

 食べて直ぐに活動したり、精神的ストレスにさらされるような状況と、楽しく食べて、食後、充分にリラックスできる状況では、同じ内容の食事であっても栄養の吸収は大きく異なるはずです。
 口に入る前のカロリーや栄養素ばかりに気をとられ過ぎると、大切なことを見失ってしまうかもしれません。