2010年11月1日月曜日

形が変わると中身も変わる(10.11.01)

 年齢とともに体力が低下し背中が丸くなる傾向がありますが、生活習慣の影響で姿勢が悪くなることも少なくありません。さらには、心の状態も姿勢や動作に表れます。意気揚々としている時は背筋も伸びて、大きな歩幅でサッサッと歩きます。しかし、元気がなくなると背中も丸くなり小さな歩幅でトボトボと歩くなど、動作までも元気がなくなってしまいます。

 横から見るとすぐわかりますが、図Bのように背中が丸くなると、図Aのように胴体の真上あるべき頭が図Bのように前方に飛び出してしまいます。
 ボーリングのボールほどの重さがある頭が、中心軸のラインから前方へ外れると、頭は前へ落下してしまいます。それを阻止するため、首や肩の筋肉が後方へ頭を引き戻そうと働き続けるので、これらの筋肉は常に緊張し、凝りや痛みを生じやすくなります。
 そうなれば、当然、気分も憂鬱になります。
(図)
(図)

人はおかしい時に笑いますが、おかしくなくても笑っていると、本当におかしくなって笑ってしまいます。
 形にこだわり過ぎてはいけないのでしょうが、不思議なことに、形を変えると、心がその状態に呼応するかのように変化します。
 笑顔をつくっていると優しい気持ちになったり、普段は活発な女性でも和服を着ると、途端におしとやかになってしまうなど、形の変化が心に影響を及ぼす例は、枚挙にいとまがありません。
 日本の伝統的な作法や芸能、武道など、いずれも型を重んじています。長い歴史の中で集積された多くの知恵がそこにはあるのでしょう。

 図Bの姿勢を調えるためには、土台である骨盤や体幹を図Aのように立て直すようなアプローチが必要になりますが、普段から姿勢を意識することも大切です。
 姿勢や身体を調えることは、不快な凝りや慢性的な痛みを和らげるとともに、心も軽快にしてくれます。