2012年11月20日火曜日

寝ている時の姿勢(12.11.20)


 「寝るときは、左を向いている、あるいは右を向いている」と言う人がいます。しかし、知覚障害がある場合などを除けば、7~8時間も寝ている間、ずっと同じ姿勢を取り続けることは考えられません。同じ姿勢を保持すれば、体の一定部分にのみ持続的な圧がかかるため、床ずれの原因にもなりますし、血流も悪くなってしまいます。

 体というのは「快を」求め、「不快」を避けるものです。長時間の持続姿勢という不快を避けるべく、体は自動的に寝返りというバランス回復運動を行っています。
 人は起きているときでも、無意識で「のび」を行います。ある時は左にねじりながら、またあるときは右にねじりながら伸びをして、無意識にバランス回復運動を行います。理屈を考えながら、動いているわけではなく、快感覚に導かれた自然な動作なのです。犬や猫が、しばらくじっとしていて動き始める前に、気持ちよくストレッチを行っているのと同じでしょう。

 さて、寝ているときの姿勢はどうあるべきなのでしょうか。無意識の時間なので自然に任せるしかないのですが、ベッドが軟らか過ぎないことや、重たい頭を支える枕の高さがポイントになりそうです。
 枕は、高すぎても、低すぎても頸椎の自然なカーブを崩すことになります。頸椎のアンバランスが背骨全体やその土台の骨盤のアライメントにも影響を及ぼすことも考えられます。


立位姿勢と同じように、仰向けに寝ている時も“肩と耳を結ぶライン(写真A)”、横を向いた時には“胸骨と鼻を結ぶライン(写真B)”、寝返りを打ってもこの二つのラインが大きく崩れない枕の高さが目安になるかもしれません。