最近、過激な行動が抑えらない、いわいる「キレる」状態から様々な悲惨な事件が発生していますが、東邦医大の有田秀穂教授は、脳内のセロトニン神経が弱っていることが「キレる」原因と訴えています。
「ラットのセロトニン神経を破壊すると、マウスを殺して食べてしまった。セロトニンを補給すると過激な症状が消えた」という怖い動物実験も報告されています。
セロトニン神経が弱ると、うつ病、パニック障害、摂食障害などの症状があらわれ、うつ病で自殺した人の脳を調べると神経伝達物質、セロトニンの濃度が一般の人より低いことも明らかになっています。
ところで、このセロトニン神経は、毎日の生活の中で一定時間、意識的にリズム運動を繰り返すことによって鍛えられるそうです。呼吸はリズム運動の代表格ですが、無意識に行われる呼吸では強化はできず、強化するためには、意識して深く長く息を吐き、腹筋と横隔膜に負荷をかける腹式呼吸が効果的といいます。
お腹を凹ませながら息を吐ききり、呼気を終えると自然に吸気が行われます。効果を得るためにはこの呼吸を、毎日30分繰り返し、約100日継続することで、セロトニン神経に構造的な変化があらわれ、高い活動レベルが維持されるそうです。
リズム運動であり呼吸に負荷がかかる水泳は、理想的な運動かもしれません。ウォーキング、ジョギング、エアロビックエクササイズや、腹式呼吸を行う座禅や太極拳などもよさそうです。
人生はオギャーという呼吸で始まり、息を引き取ることで終焉を迎えます。まさに、「息をする」ことが「生きる」ことといえるのでしょう。
呼吸は心理状態とも深くかかわっています。泣いている時は、強く短く連続的に吸い、怒っているときは、強く短く連続的に吐きます。気持ちが落ち着いているときはゆっくりと長い呼吸をします。意識的にこのような呼吸をすると、副交感神経が優位になり心身がリラックスします。
「長い息」が、「長生き」に通じるといいますが、呼吸の奥深さに、ため息が出ます。
2009年7月11日土曜日
2009年6月13日土曜日
ブロイラー食いをしていませんか?(09.06.13)
私たちは果たして、お腹が空いたという体からのサインで、食事をしているのでしょうか。もちろん、そういう場合もあるでしょうが、本能の脳からの空腹サインではなく、理性の脳による、「食事の時間だから食べよう」、あるいは「このタイミングで食べておく必要がある」などと理屈で考えて、体はそれほど欲していないにもかかわらず食事をしてしまうということはないでしょうか。
朝食は大切といわれているから、食欲はなくても食べているという人はいませんか。また、満腹なのに、残すともったいないから食べるという行為も、体から発信されている食事終了のサインを無視したものといえるのかもしれません。
人間、ペット、家畜と養殖の動物だけが、腹が減ったという感覚を優先することなく、時間に合わせて食べています。このような食事の取り方を称して「ブロイラー食い」というそうです。
さらには、味覚よりも、健康にいいものだからという情報を優先して食べることもあるでしょう。いずれの行為も、理性の脳による食行動であり、おいしく味わうという本来の食生活のあり方を忘れているような気がします。
理性の脳による過剰な支配を抑え、本能の脳をもう少し解放してあげてはいかがでしょう。
朝食は大切といわれているから、食欲はなくても食べているという人はいませんか。また、満腹なのに、残すともったいないから食べるという行為も、体から発信されている食事終了のサインを無視したものといえるのかもしれません。
さらには、味覚よりも、健康にいいものだからという情報を優先して食べることもあるでしょう。いずれの行為も、理性の脳による食行動であり、おいしく味わうという本来の食生活のあり方を忘れているような気がします。
理性の脳による過剰な支配を抑え、本能の脳をもう少し解放してあげてはいかがでしょう。
2009年5月9日土曜日
フィットネスセッション2009(09.05.09)
ゴルデンウィークの5月3日~5日の3日間、フィットネスソフトの国内最大イベント、第23回フィットネスセッションが、全国の指導者を対象に、東陽町のYMCAで開催されました。
今回は「ゆるみ筋&こわばり筋のコンディショニング~動作性の向上を求めて」のテーマで3年ぶりに講師として参加させていただきました。
50枚のスライドを使いながら、部分に負担をかけない楽な動作法、短時間で行える身体バランス改善アプローチなどをご紹介。50名の定員を超える皆様にご参加いただき、2時間のワークショップを無事に?終了することができました。
遠隔地からインストラクターの方が、泊まりがけで参加されるケースも少なくないようですが、連休を利用して多くのセッションに参加できるこのイベントは、地域間の情報格差を解消するという役割をも担っているのでしょう。

今回は「ゆるみ筋&こわばり筋のコンディショニング~動作性の向上を求めて」のテーマで3年ぶりに講師として参加させていただきました。
50枚のスライドを使いながら、部分に負担をかけない楽な動作法、短時間で行える身体バランス改善アプローチなどをご紹介。50名の定員を超える皆様にご参加いただき、2時間のワークショップを無事に?終了することができました。
遠隔地からインストラクターの方が、泊まりがけで参加されるケースも少なくないようですが、連休を利用して多くのセッションに参加できるこのイベントは、地域間の情報格差を解消するという役割をも担っているのでしょう。
2009年4月10日金曜日
守・破・離(しゅ・は・り)(09.04.10)
武道に取り組んでいた学生時代に「守・破・離」という言葉を知りました。物事を学び始めてから、独り立ちしていくまでの三つの段階をあらわしているのですが、当時は技術習得の教えとして武道の世界における特有の言葉であると理解していました。

この言葉の出処が、600年前に能の世阿弥が「風姿花伝」(父観阿弥の秘伝を、子の世阿弥がまとめた能楽の聖典で「花伝書」ともいう)に記した芸術論であることを知ったのは大分後のことです。
芸能でも、武道でも、スポーツ指導でも、どのようなものであれ、その技術を学び習得するまでの過程は、すべてこの「守・破・離」という概念で説明できそうです。
「守」があって「破」が存在し、その先に「離」という到達点があります。当然のことながら「守」を飛び越しての「破」や「離」はあり得ません。
応用や発展は基本の上に立つものであり、基本が大切であると説いていると同時に、自ら考え創造していくことの重要性も訴えているのでしょう。
ちなみに、「初心忘るべからず」の出処も花伝書と聞けば、「なるほど」と頷けます。
この言葉の出処が、600年前に能の世阿弥が「風姿花伝」(父観阿弥の秘伝を、子の世阿弥がまとめた能楽の聖典で「花伝書」ともいう)に記した芸術論であることを知ったのは大分後のことです。
芸能でも、武道でも、スポーツ指導でも、どのようなものであれ、その技術を学び習得するまでの過程は、すべてこの「守・破・離」という概念で説明できそうです。
「守」があって「破」が存在し、その先に「離」という到達点があります。当然のことながら「守」を飛び越しての「破」や「離」はあり得ません。
応用や発展は基本の上に立つものであり、基本が大切であると説いていると同時に、自ら考え創造していくことの重要性も訴えているのでしょう。
ちなみに、「初心忘るべからず」の出処も花伝書と聞けば、「なるほど」と頷けます。
2009年3月12日木曜日
ミラーニューロン(09.03.12)
脳科学の過去10年で最大の発見と言われ、ミラーニューロンと呼ばれる神経細胞が話題になっています。ミラーニューロンとは、他の人が何かやっているのを見た時に自分がやっているかのように活動するニューロン(神経細胞)です。
科学者たちがアイスクリームを食べていたとき、それを見たサルの脳内に、あたかも自らが食べているように活動している神経細胞を発見したことが、この大発見の始まりだったようです。
ミラーニューロンの働きで、他人の行動や体験を観察するだけで疑似体験することになるということです。つまり、「見て学ぶ」ことの意味が、ミラーニューロンの存在から脳科学的にも説明できることになります。
「学ぶ」の語源は「真似る」といわれますが、真似るためには「よく観察をする」作業が必要です。つまり、学習にはミラーニューロンの働きが、関与するということになります。まさに、「習うこと」は「倣うこと」なのです。
「似たもの同士」や「似たもの夫婦」という言葉がありますが、一緒にいると知らぬ間に似てくるのも、同一集団が同じような仕草をするのも、ミラーニューロンの影響と考えられているようです。人は、良くても悪くても、その環境へ適応することを示しており、人的な環境の重要性を再認識させるものでもあります。
人が、喜んだり悲しんだりしている様子を見ているだけで、不思議とその本人と同じような気持ちになります。このような相手への共感もミラーニューロンの働きが関わっているようです。
「他人の心を読み取る」という脳の大切な機能を支えているのではないかと推測され、互いに共感し、コミュニケーションを図っていくためには不可欠な細胞という点からも、ミラーニューロンが注目されています。
科学者たちがアイスクリームを食べていたとき、それを見たサルの脳内に、あたかも自らが食べているように活動している神経細胞を発見したことが、この大発見の始まりだったようです。
ミラーニューロンの働きで、他人の行動や体験を観察するだけで疑似体験することになるということです。つまり、「見て学ぶ」ことの意味が、ミラーニューロンの存在から脳科学的にも説明できることになります。
「学ぶ」の語源は「真似る」といわれますが、真似るためには「よく観察をする」作業が必要です。つまり、学習にはミラーニューロンの働きが、関与するということになります。まさに、「習うこと」は「倣うこと」なのです。
「似たもの同士」や「似たもの夫婦」という言葉がありますが、一緒にいると知らぬ間に似てくるのも、同一集団が同じような仕草をするのも、ミラーニューロンの影響と考えられているようです。人は、良くても悪くても、その環境へ適応することを示しており、人的な環境の重要性を再認識させるものでもあります。
「他人の心を読み取る」という脳の大切な機能を支えているのではないかと推測され、互いに共感し、コミュニケーションを図っていくためには不可欠な細胞という点からも、ミラーニューロンが注目されています。
2009年2月10日火曜日
動作感覚を共有する(09.02.10)
毎日、水泳指導に明け暮れていた頃のことを振り返ると、視覚情報に偏重していて、練習者がどのような感覚で泳いでいるのだろうかという視点が希薄でした。
たとえば、成人対象のクロール指導時に、内側入水を修正しようと考え、「肩の延長線上に真っ直ぐ入水しましょう」と、何度声をかけても、フォームが改善されない可能性があります。
「どんな感じで入水していますか?」と訊くと、「肩の延長線上に入水しています」という答えが返ってくるかもしれません。そうであれば、感覚的には真っ直ぐに入水しているわけですから、「真っ直ぐに」と指摘されても、本人には修正のしようがありません。
本人の感覚をベースに考えるならば、「外側に入水しましょう」というアドバイスが功を奏するかもしれません。
(もちろん、体軸のブレが原因であったり、そのようなフォームになってしまう、その人特有の身体状況が影響していることも考えられるので、実際の対応はそれぞれのケースで異なります)
指導言語に対して身体がどのように反応し、そのときの泳者の感覚はどうであったか、という確認作業は、スキル練習には大切なことだと思います。
どのような言葉かけに練習者の身体が反応したのかを確認しながら、その言葉や表現法を整理し積み重ねていくことで結果を出せるコーチングへとつながっていくのではないでしょうか。
水泳に限らず、動作感覚と実際の動作との間にズレがあることは珍しくありません。そのギャップを改善するためにも、指導者は動作時の感覚を練習者と共有(共感)することに意識を向けていく必要があるのでしょう。
たとえば、成人対象のクロール指導時に、内側入水を修正しようと考え、「肩の延長線上に真っ直ぐ入水しましょう」と、何度声をかけても、フォームが改善されない可能性があります。
「どんな感じで入水していますか?」と訊くと、「肩の延長線上に入水しています」という答えが返ってくるかもしれません。そうであれば、感覚的には真っ直ぐに入水しているわけですから、「真っ直ぐに」と指摘されても、本人には修正のしようがありません。
本人の感覚をベースに考えるならば、「外側に入水しましょう」というアドバイスが功を奏するかもしれません。
(もちろん、体軸のブレが原因であったり、そのようなフォームになってしまう、その人特有の身体状況が影響していることも考えられるので、実際の対応はそれぞれのケースで異なります)
どのような言葉かけに練習者の身体が反応したのかを確認しながら、その言葉や表現法を整理し積み重ねていくことで結果を出せるコーチングへとつながっていくのではないでしょうか。
水泳に限らず、動作感覚と実際の動作との間にズレがあることは珍しくありません。そのギャップを改善するためにも、指導者は動作時の感覚を練習者と共有(共感)することに意識を向けていく必要があるのでしょう。
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