2009年9月6日日曜日

歩行動作の分析(09.09.06)

 左右のストライドが、一歩ごとにデジタル表示されるトレッドミルを利用したときに、予想外の左右差に気がつきました。これをきっかけに、あらためて自分の歩き方を感覚で捉えながら分析してみると、

① 右足の接地時間の方が長く、右足を軸足にして、左足を遠くに運んでいる。
② 歩行中の骨盤回旋は、左よりも右回旋の方が大きい。
③ 右足(foot)より左足の方が、地面から僅かに高く上がっている。
④ 骨盤も左の方が右よりも僅かに上がっている。
⑤ 右足荷重のタイミングで右肩が少し下がる。(=左骨盤が少し上がる)
⑥ 左足に体重が乗りにくい。

 あくまでも感覚で捉えたものです。
 腸腰筋が弱くなると、脚が上がりにくくなるので、転倒のリスクが高くなるといわれます。しかし、私の場合は、左側より(腸腰筋が)強い右側の足の方が、左に比べて地面(床)に引っかかりやすいという事実があります。
 ③のとおり、右足の上がりが、左側よりも小さいので当然といえるかもしれません。左の股関節外転筋が右と比べて弱いため、左足荷重時に右の骨盤の上がり相対的に小さく、それに伴い右足の上がりも小さくなっていることが原因ではないかとみています。
あるく

歩行時の腸腰筋は、地面から離れた脚を前に振り出すフェーズ(遊脚期)では余り働かず、着地側の脚を後方に押し出すフェーズ(立脚期)の後半で最も強く活動(遠心性収縮)していたという最近の報告があります。
 これをヒントに考えれば、ストライドの大きい左足の接地時間を長くして、左中殿筋を意識するような歩行により、左股関節の伸展動作が強調され、左の腸腰筋と外転筋が強化されることになり、骨盤の水平性や、下肢動作の左右差も小さくなるのではないかと考え、歩きの中で試しています。

2009年7月31日金曜日

メタボ & ロコモ(09.07.31)

 最近、ロコモ(=ロコモティブシンドローム)という言葉を聞くようになりました。ロコモは、2007年に日本整形外科学会(日整会)が提唱したもので、「運動器の機能不全により、要介護になるリスクが高い状態になること」と定義されています。
 運動器とは、立つ、歩く、手を上げるなど、あらゆる動作を担っている筋肉・関節・骨・腱・靭帯・神経等の総称で、日常生活をおくる上で欠くことのできない器官です。

 「メタボ」は脳卒中や心筋梗塞をはじめとする生活習慣病の予防、「ロコモ」は運動器に照準をあてた介護予防につながる概念です。
 ロコモについては、日整会による以下の5つの判定指標(ロコチェック)があり、一つでも当てはまると要注意だそうです。
腰痛の高齢者
*ロコチェック
●片足立ちで靴下がはけない
●家の中でつまづいたり、滑ったりする
●階段を上るのに手すりが必要
●青信号で横断歩道を渡りきれない
●15分続けて歩けない

 メタボとロコモ、それぞれ概念は異なりますが、運動不足が大きな要因となっている点で共通しています。
 また、ヒザや腰が痛くて十分な運動ができないこと(ロコモ)から、メタボに移行することもあるでしょうし、逆に、メタボ(過体重)が原因で、活動量が減少し、ロコモ(運動器の障害)に至ることも考えられるなど、両者は大いに関連しあっているといえるかもしれません。


メタボリックファミリー A.メタボでロコモ
B.ロコモではないがメタボ
C.メタボではないがロコモ
D.メタボでもロコモでもない

 二つのキーワードを基に4通りに分類してみました。多くの中高齢者が、
A~Cに該当するのではないでしょうか?

2009年7月11日土曜日

セロトニンと呼吸(09.07.11)

 最近、過激な行動が抑えらない、いわいる「キレる」状態から様々な悲惨な事件が発生していますが、東邦医大の有田秀穂教授は、脳内のセロトニン神経が弱っていることが「キレる」原因と訴えています。
 「ラットのセロトニン神経を破壊すると、マウスを殺して食べてしまった。セロトニンを補給すると過激な症状が消えた」という怖い動物実験も報告されています。
 セロトニン神経が弱ると、うつ病、パニック障害、摂食障害などの症状があらわれ、うつ病で自殺した人の脳を調べると神経伝達物質、セロトニンの濃度が一般の人より低いことも明らかになっています。

 ところで、このセロトニン神経は、毎日の生活の中で一定時間、意識的にリズム運動を繰り返すことによって鍛えられるそうです。呼吸はリズム運動の代表格ですが、無意識に行われる呼吸では強化はできず、強化するためには、意識して深く長く息を吐き、腹筋と横隔膜に負荷をかける腹式呼吸が効果的といいます。
 お腹を凹ませながら息を吐ききり、呼気を終えると自然に吸気が行われます。効果を得るためにはこの呼吸を、毎日30分繰り返し、約100日継続することで、セロトニン神経に構造的な変化があらわれ、高い活動レベルが維持されるそうです。
 リズム運動であり呼吸に負荷がかかる水泳は、理想的な運動かもしれません。ウォーキング、ジョギング、エアロビックエクササイズや、腹式呼吸を行う座禅や太極拳などもよさそうです。

 人生はオギャーという呼吸で始まり、息を引き取ることで終焉を迎えます。まさに、「息をする」ことが「生きる」ことといえるのでしょう。
 呼吸は心理状態とも深くかかわっています。泣いている時は、強く短く連続的に吸い、怒っているときは、強く短く連続的に吐きます。気持ちが落ち着いているときはゆっくりと長い呼吸をします。意識的にこのような呼吸をすると、副交感神経が優位になり心身がリラックスします。
 「長い息」が、「長生き」に通じるといいますが、呼吸の奥深さに、ため息が出ます。

2009年6月13日土曜日

ブロイラー食いをしていませんか?(09.06.13)

 私たちは果たして、お腹が空いたという体からのサインで、食事をしているのでしょうか。もちろん、そういう場合もあるでしょうが、本能の脳からの空腹サインではなく、理性の脳による、「食事の時間だから食べよう」、あるいは「このタイミングで食べておく必要がある」などと理屈で考えて、体はそれほど欲していないにもかかわらず食事をしてしまうということはないでしょうか。
  朝食は大切といわれているから、食欲はなくても食べているという人はいませんか。また、満腹なのに、残すともったいないから食べるという行為も、体から発信されている食事終了のサインを無視したものといえるのかもしれません。

食べる  人間、ペット、家畜と養殖の動物だけが、腹が減ったという感覚を優先することなく、時間に合わせて食べています。このような食事の取り方を称して「ブロイラー食い」というそうです。
 さらには、味覚よりも、健康にいいものだからという情報を優先して食べることもあるでしょう。いずれの行為も、理性の脳による食行動であり、おいしく味わうという本来の食生活のあり方を忘れているような気がします。
 理性の脳による過剰な支配を抑え、本能の脳をもう少し解放してあげてはいかがでしょう。

2009年5月9日土曜日

フィットネスセッション2009(09.05.09)

 ゴルデンウィークの5月3日~5日の3日間、フィットネスソフトの国内最大イベント、第23回フィットネスセッションが、全国の指導者を対象に、東陽町のYMCAで開催されました。
 今回は「ゆるみ筋&こわばり筋のコンディショニング~動作性の向上を求めて」のテーマで3年ぶりに講師として参加させていただきました。
 50枚のスライドを使いながら、部分に負担をかけない楽な動作法、短時間で行える身体バランス改善アプローチなどをご紹介。50名の定員を超える皆様にご参加いただき、2時間のワークショップを無事に?終了することができました。
 遠隔地からインストラクターの方が、泊まりがけで参加されるケースも少なくないようですが、連休を利用して多くのセッションに参加できるこのイベントは、地域間の情報格差を解消するという役割をも担っているのでしょう。

  
  

2009年4月10日金曜日

守・破・離(しゅ・は・り)(09.04.10)

 武道に取り組んでいた学生時代に「守・破・離」という言葉を知りました。物事を学び始めてから、独り立ちしていくまでの三つの段階をあらわしているのですが、当時は技術習得の教えとして武道の世界における特有の言葉であると理解していました。

守・破・離(しゅ・は・り)
 この言葉の出処が、600年前に能の世阿弥が「風姿花伝」(父観阿弥の秘伝を、子の世阿弥がまとめた能楽の聖典で「花伝書」ともいう)に記した芸術論であることを知ったのは大分後のことです。
 芸能でも、武道でも、スポーツ指導でも、どのようなものであれ、その技術を学び習得するまでの過程は、すべてこの「守・破・離」という概念で説明できそうです。
 「守」があって「破」が存在し、その先に「離」という到達点があります。当然のことながら「守」を飛び越しての「破」や「離」はあり得ません。
 応用や発展は基本の上に立つものであり、基本が大切であると説いていると同時に、自ら考え創造していくことの重要性も訴えているのでしょう。
 ちなみに、「初心忘るべからず」の出処も花伝書と聞けば、「なるほど」と頷けます。