2011年6月5日日曜日

運動習慣者は約30%(11.06.05)


 健康づくりに運動が欠かせないことを知らない人はいません。しかし、運動習慣を持っている人の割合は約3割で、持っていない人が約7割います。
 2008年の国民健康・栄養調査資料によると、20歳以上で1回30分以上の運動を週2日以上実施し、1年以上継続している人の割合は、男性33.3%、女性27.5%となっています。年代別でみると20代は男性22.7%、女性16.5%。30代は男性18.5%、女性11.6%で、働き盛りの人の運動実施率が低く、60代では、男性38.3%、女性41.2%で、高齢者の方が運動を習慣にしている人が多い傾向があります。

運動習慣者の割合 
運動習慣者の割合

*運動習慣者=20歳以上で1回30分以上の運動を週2日以上実施し、1年以上継続している者 
(2008年度厚生労働省資料より著者作図)


 厚生労働省は、「一に運動、二に食事、しっかり禁煙、最後にクスリ」という標語を掲げ、運動の習慣化を呼びかけています。また、2006年には生活習慣病予防のための具体的な運動実践マニュアルともいえる「エクササイズガイド2006」を発表しました。
 厚労省のホームページにアクセスすれば、簡単に見ることができますが、このエクササイズガイドの認知率が1.4%という報告もあり、良いコンテンツを作ったものの、実はほとんど知られていないという寂しい実態があります。

2011年5月1日日曜日

正しい歩き方?(11.05.01)


歩き方 TVや雑誌などで「正しい歩き方」の解説を見聞きすることがあります。「美しい歩き方」という表現ならば理解できるのですが、「正しい」と断言できる根拠は一体何だろうと、常々疑問を持っています。

 正しい歩き方を教えて欲しいといわれることがありますが、「一般的に正しいといわれる歩き方は、こういう歩き方です」と紹介はしても、これが、「正しい歩き方です」と説明したたことは一度もありません。何が正しいのかが、私にもよくわからないからです。

 「カラダの局所に負担をかけない、こんな歩き方もあります。正しいとされる歩き方と、実際に歩いた感覚で違いを比べてください」と声をかけます。「どちらが正しくて、どちらが間違っているということではなく、カラダで感じながら自分に合う歩き方を見つけましょう」と話しています。

 慢性腰痛や膝痛を抱えている人などは、歩き方を変えるだけで、負担感が減少することがよくあります。局所への負担が少なく楽に行える快適な動作が、その人にとって、よりよい歩き方ではないでしょうか。

2011年4月10日日曜日

あたりまえのこと(11.04.10)


腰のねじれ  ヒトは、この世に生れて1年かけて「立つ、歩く」技術を習得します。一端、この技術を身につけた後は、意識して行うことはなくなります。
 ほとんどの日常動作は無意識的に行われますが、思うように動かせない体になれば、当然、不自由な生活を強いられます。杖や車イス、あるいは人による介助など、依存度が大きくなるほど、生活行動も大きく制限されていくことになります。

 今回の大震災でもそうですが、安全な水・空気・食物、電気、家、家族や友人など、あたりまえに存在していたものを失ってしまった時、あたりまえの事や物がどれほど大切であったのかに、気づきます。

 自由に動き回れる体の機能が損なわれた時、「立ち、座り、歩く」という日常の動作が何不自由なく、自力でできることのありがたさを痛感することになるのでしょう。

 けれども悲しいかな、ヒトは、あたりまえの事や物が、あたりまえに存在し続ける限り、そのありがたさや尊さに気づかないもの。

 失って初めて気づく、日常のありがたさ。
 「時、既に遅し」とならないように戒めて行動したいもの。
 しかし、これが、とてつもなく難しい。

2011年3月10日木曜日

腰のねじれ(11.03.10)

 両脚を揃えてイスに座っているところを、上から見ると、右よりも左側のヒザの方が前方に出ていることがわかります。このような左右差は多くの人に見られます。


腰のねじれ  この左右の差は、いったい何を意味しているのでしょうか。左脚が長く、右脚が短いのでしょうか?写真の例では、左のヒザが前に出ていますが、これは、右側に比べ、左側の腰が前に出ていること、つまり、右回旋方向に腰が捻じれている可能性を示しています。

 写真のような例では、立って体をひねった時も、右に捻りやすく、左には捻りにくいという回旋動作の左右差が多く見られます。この原因としては、様々なことが考えられますが、日常の歩行動作との関係も大きいのではないかと思います。

 例えば右足の接地時間が左側より長い場合は、左足は右足よりも遠くへ運ばれることになり、骨盤も右回旋優位となり、右回旋方向への捻じりが強調されたアンバランスへとつながっていく可能性が考えられます。

【セミナーのお知らせ】

 4月1日より毎週金曜日10:30~12:00で全4回という日程で、「ゆるみ筋&こわばり筋のコンディショニング」をテーマにセミナーを行います。身体のバランスを調える“操体法”の実技を中心に行う予定です。操体法が初めてという方には特にお勧めです。

 会場:実践女子学園生涯学習センター(JR日野駅前)

 詳細については以下をご参照ください。
http://www.syogai.jissen.ac.jp/products/detail.php?product_id=277

2011年2月14日月曜日

姿勢づくりの方法 ~セルフチェック~(11.02.14)

 より良い姿勢をつくるためには、硬くなっている筋肉を柔らかくしたり、弱くなっている筋肉を強化するなどの取り組みが欠かせません。

 同時に、普段から姿勢を意識することも大切です。但し、「気をつけ」のように背中を緊張させるような姿勢はお勧めできません。あくまで、無理のない自然体が理想なので、頑張って姿勢を維持するという方法では長続きしません。
 一方で、意識して自然体をつくるというのも不自然なことです。あくまでも、プロセスとして無理のない範囲で意識化し、最終的には無意識でも、ニュートラルな(本来のあるべき)姿勢が確保できていることが理想でしょう。



  1.左右の足裏に同じように体重が乗っていますか。
 2.足裏にかかる重さは、つま先側や踵側に傾くことなく、
  足裏全体に乗っていますか。
 3.腰は立っていますか。
 4.腰の上に真っ直ぐ胴体が乗っていますか。
 5.胴体の上に頭が真っ直ぐ乗っていますか。
足裏
 このような内容を自問自答するだけでも
姿勢が変わってきます。

2011年1月13日木曜日

一側性トレーニングの効果(11.01.13)

 スクワットのように両脚同時の対称的な動きを両側性(りょうそくせい)動作といいます。一方、片脚で行うスクワットやボールを投げる、蹴るなど、片腕あるいは片脚による動きを一側性(いっそくせい)動作といいます。
 歩行動作では、片側の股関節の屈曲時には、もう一方は伸展動作を行っています。左右半身が交互に同様の動作を繰り返しますが、これも一側性動作です。
 平泳ぎやバタフライは両側性動作ですが、日常動作やスポーツ動作全般を見ると、一側性動作の方が多いことがわかります。
 スポーツジムでは、両側性動作を想定したトレーニングマシンを主体に設置されていることが多いようですが、スポーツ強化トレーニングでは、競技の特異的動作を意識した一側性トレーニングが盛んに行われています。

ダンベルトレーニング

 さて、NSCAジャーナル2009年9月号に、一側性動作は両側性動作よりも大きな力が発揮されるという報告があります。筋力発揮は、高速動作であるほど、一側性動作で優位に現れ、両側性動作では筋力発揮が低下するという検証データと、両側性トレーニングよりも一側性トレーニングの方が筋力や筋パワーの向上率が高いというデータが示されています。 
 一側性動作では、運動単位の動員率が高くなり、特に速筋線維の動員率が高くなるという研究報告もあります。

 遅筋よりも速筋の方が、加齢に伴う筋力低下が大きいことが知られていますが、高齢者の動作が緩慢であることや、速筋がより使われる階段の下り動作で転倒が多いことなども、加齢に伴う速筋線維の委縮が関係しているという見方があります。
 転倒しそうな局面から素早く姿勢を立て直すときには、速筋が活動することを考えても、高齢者のトレーニングで、速筋を鍛えることには、大きな意味があると考えられます。 (もちろん、姿勢保持や動作の安定を担う遅筋も大切であることはいうまでもありません)
 「一側性動作」というキワードは、高齢者の運動プログラムを考える上で大いに参考になるのではないでしょうか。