2023年11月27日月曜日

突然 女性の叫び声が

突然、女性の絶叫が聞こえた。比較的小さめの2階建てのビルで、しょう害者が制作した小物販売やレストラン、リサイクルショップなどが入っているビルがある。私は入口近くのショップで小物を見ていた。その時のことだ。女性の絶叫を聴いたのは。

TVや映画の中ではあるが、現実の世界でその声を聴いたのは初めてかも知れない。 廊下に出ると大柄な60歳前後の女性が、立ち姿勢のまま唸っている。「ぎっくり腰」とご本人の口から何度も漏れ聞こえた。

重そうな荷物を手に持って、急いで帰らなければならないと時間を気にされていたが、激痛で動けない。壁を左手で触ったまま、数センチ足を出すと悶絶の表情を浮かべた。救急車を呼ぶべきか・・などとつぶやいていたが、荷物を預かり楽な姿勢をとらせ、ゆっくり呼吸をするように促した。 

 右足で体重を支えられるが、左で体重を支えようとすると痛がる。右で体重を支え、楽な姿勢をとるようにすると、通常会話が可能になった。それで安心したのか、5m先の玄関の前に置いてある自転車に向かおうとするが、少し動くと激痛で顔が歪んだ。

話を聞いて頂ける状態になったので、自分がスポーツトレーナーであることを伝えると表情が少し和らいだ。
 
15kgはありそうな荷物の中身は書類だという。いつも右手で荷物を持つ癖が有り、この日も右手で、その重量物を持った瞬間に激痛が走ったという。腰に触れると左側の背筋が硬く盛り上がっているのがわかった。

右足で体重をかけながら少しずつ歩を進め玄関を出た。愛用の自転車が荷物運搬用の頑丈でとても重い。彼女に変わって帰る方向に自転車の向きを変えた。

体が最も楽と感じる姿勢をとることを何度か訴えていたのだが、見ると大きなビルの円柱形の柱にもたれ、まるで空気イスの姿勢(=膝と股関節を100度ほどに曲げた姿勢)をとっていた。それが楽だという。
これを見て自転車に乗って移動できることがイメージできた、案の定、自転車のサドルに乗ると「大丈夫だ」とつぶやき、何事もなかったようにスイスイと自宅へ向かった。

10分ほどの出来事だった。 PS.事後のコメント ・体が最も楽と感じる姿勢をとるように声変えると、壁に背を持たれて空気イスの姿勢をとった。それで、ひざ・股関節が緩み、腰が緩んだ。 

普段の体使いの癖が、大きく影響した可能性が考えられる。左右背筋の硬さや強さのアンバランスがあると、骨盤の左右・前後の傾斜が生じ、体全体のアンバランスが生じる可能性あある。 ひざ、腰、股関節、肩などの運動器の慢性痛の多くは、生活習慣動作が創り出していると言えるのではないか。

これを「習慣動作病」と呼んでいる(矢野史也名付け)。