2024年4月23日火曜日

杖と手すり1

今年2月に右膝のMRIで半月板断裂と診断された。何かの衝撃で痛みが出たのではない。気がついたら痛みが増悪し、まともに歩けなくなった。 杖も暫く使った。私の場合は左手(健側)で杖を持つ方法が最も痛みが軽減することもわかった。杖を使う人が思っていた以上に多いという事実にも気づいた。自らの身体状況が変わると 世の中を見る目線まで変化する。杖は痛みがある時は大変重宝であるが、使い方(多用するなど)次第で、左右の筋骨格系にアンバランスが生じて 別の運動器障害を誘発するリスクも予想される。


 訳があり、最悪の時期に 杖を着きながら遠出をした。おまけに道に迷いかなり歩いてしまった。帰路の最終段階で自宅最寄り駅からの歩行は困難を極めた。たかだか300m強の道のりは痛みとの戦い。 杖を握る手に、ありったけの力を込めながら4分の道を15分以上かけて帰宅した。 驚いたことに、一夜明け目覚めると杖を握った左中指がバネ指になっていた。 無症状の指が一夜にして変わってしまったのだ 。力はある方だが それも災いし、さらに加齢も手伝って左手中指の関節が悲鳴を上げたのだろう。 

治療についてドクターから説明を聞いた。右膝の関節左右に穴をあけ、半月板を取り出す手術療法があるが、保存療法(運動療法)を選択した。浴槽でリハトレをするなどで、 今は、下り階段は少々辛いが、平たんな道であれば普通に?歩くことができる。ドクターによれば治るのに半年は かかるらしい。つまり7月には回復するということだ。 


 ところで 2015年に「カラダ再生 動ける体のつくり方 ~なぜ階段は後ろ向きに下りると楽なのか?~」という著書を出した。 早大で授業中に学生から 「祖母は後ろ向きに降りてます」やアスリート学生から「合宿で追い込んだ最終日は、階段を前から降りられず、後ろ向きで降りた」などの声も聞いた。また、街の中で後ろ向きに階段を降りる高齢者と遭遇した事もある。
しかし、まさか自分が実生活で、必要に迫られ、後ろ向きに降りるようになるなど想像もしなかった。と同時に この技法を知っていて助かったことも事実である。 

 さて何故、断裂したのか? 

 長年の高強度トレーニングやスポーツで、かなり負担をかけ続けたことで半月板が損耗していた?そして、体調不良をきっかけに6年間の運動休止。その後、軽い「家トレ」1年継続。そして、2023年12月ジムへ入会し、7年ぶりにトレーニングを再開した。

 軽いトレーニングのつもりでも廃用性適応を経た身体(関節)には過剰負荷だった可能性もあり、半月板断裂への道は進行していたと振り返っている。 昔のように動ける感覚(実際、近い動作はできる)と、相応に変化したフィジカルとのギャップには 気づきにくいという知識はあっても、経験をしなければ、わからないことかもしれない。(続く)

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