2023年6月26日月曜日

歌は万病に効く♬

 健康で長生きしたければ1日1曲歌いなさい」斉藤一郎、周東寛他著共に医博)                      という新書本が興味深い。

なぜ歌うと健康になるのか?

・免疫力が向上する
・感染症に強くなる
・飲み込む力が強くなる(嚥下機能向上)
・認知症を予防する(脳の活性化)
・ストレスが改善する等々

について、とてもわかりやすく説明している。

ところで、誤嚥性肺炎は高齢者が圧倒的多数という現実がある。
2021年の厚労省資料を見ると、日本における原因別死亡順位は
1位 ガン
2位 心疾患
3位 老衰、
4位 脳血管疾患
5位 肺炎
となるが、肺炎に誤嚥性肺炎を含めると脳血管疾患を抜いて4位にあがる。

さて、効用の一部を紹介すると、口腔には多くの筋群が存在し、歌唱時には舌筋など筋群がよく活動する。これらの筋が協調して働くことで摂食・嚥下運動がスムーズに行われるという。これが誤嚥性肺炎予防につながるのだ。

多くの人は、歌が体にいいということは、うすうす感じているだろうし、「好きだから歌う」というだけで十分なのだけれど、趣味の健康効果について、さらによく知ることができれば動機付けが強化され、その効果も強化されるに違いない。
さらに仲間がいれば楽しいし脳への刺激も高まる。

とあるスポーツクラブでは、参加者みんなで歌いながら水中運動をしている。写真を見るとみんな楽しそうだ。

以前から「歌うことは筋トレ」と周りに吹聴してきた。
舌も声帯も筋肉であり、呼吸筋(吸息筋+呼息筋)=胸鎖乳突筋、斜角筋、前鋸筋、外肋間筋、内肋間筋、横隔膜、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋などが鍛えられるのだから。

自宅でギターを抱えながら、その筋トレを楽しんでいる。ただの趣味だが、効用を聞けば歌も弾んでくる。
「健

2023年6月22日木曜日

姿勢フィットネス ~動きを創る身体感覚~

野村萬斎という狂言師をご存知だろうか。
姿勢や独特の所作から「遠くからでも直ぐに自分だとわかる」と人から言われるそうだ。
彼ほどカラダに軸が通り、所作の安定した人物にお目にかかることは稀である。当然、遠くにいても、大勢の中にいても目立つのだろう。別の視点から見れば、多くの人は少し乱れた姿勢で不安定に立ったり歩いたりしているかもしれない現実があるならば、その際立った所作は、当然、人目を引くだろう。

以前から彼の身体感覚や動作に興味を持って見ている、10年ほど前の朝日新聞に自身の身体動作について語っている記事があった。「日常からどのような状況でも、さっと動けるような立ち方をしている」との本人談。先日のNHKでは、「見事な姿勢で歩いていますね」というアナウンサーに「体が揺れないように歩いている」と答えているシーンを見た。

舞台や稽古、人前だけで、その独特の所作をしているのではなく、日常からそのような身体づくりや動作をしているということであり、それは恐らく意識動作から無意識動作へと繋げ、さらに意識動作で改善するというような無限ループの中で身体システムを働かせているのだろう。

ところで、最近はフィットネスの中で「姿勢づくり」というワードを耳にすることが増えている。姿勢を改善することは腰やひざなど関節痛の改善などにもつながり、美容にもたらす効果も大きいことを考えれば頷ける。
ただ姿勢改善を実現させることは、そう簡単ではないだろう。レッスン時にはある程度できたとしても、それを定着させるためには日常的にも改善メソッドに取り組み、無意識下でも
目標の姿勢や動作ができる必要がある。

生活習慣病の改善と同じで、何よりも大切なことは「習慣化」。
指導者側にも習慣化へと誘うための技法が求められている。