歩行動作では、片側の股関節の屈曲時には、もう一方は伸展動作を行っています。左右半身が交互に同様の動作を繰り返しますが、これも一側性動作です。
平泳ぎやバタフライは両側性動作ですが、日常動作やスポーツ動作全般を見ると、一側性動作の方が多いことがわかります。
スポーツジムでは、両側性動作を想定したトレーニングマシンを主体に設置されていることが多いようですが、スポーツ強化トレーニングでは、競技の特異的動作を意識した一側性トレーニングが盛んに行われています。

さて、NSCAジャーナル2009年9月号に、一側性動作は両側性動作よりも大きな力が発揮されるという報告があります。筋力発揮は、高速動作であるほど、一側性動作で優位に現れ、両側性動作では筋力発揮が低下するという検証データと、両側性トレーニングよりも一側性トレーニングの方が筋力や筋パワーの向上率が高いというデータが示されています。
一側性動作では、運動単位の動員率が高くなり、特に速筋線維の動員率が高くなるという研究報告もあります。
遅筋よりも速筋の方が、加齢に伴う筋力低下が大きいことが知られていますが、高齢者の動作が緩慢であることや、速筋がより使われる階段の下り動作で転倒が多いことなども、加齢に伴う速筋線維の委縮が関係しているという見方があります。
転倒しそうな局面から素早く姿勢を立て直すときには、速筋が活動することを考えても、高齢者のトレーニングで、速筋を鍛えることには、大きな意味があると考えられます。 (もちろん、姿勢保持や動作の安定を担う遅筋も大切であることはいうまでもありません)
「一側性動作」というキワードは、高齢者の運動プログラムを考える上で大いに参考になるのではないでしょうか。




かなり昔のことですが、競泳男子100m自由形の限界は50秒であるという、某科学者の実験データーに基づく主張がTVや新聞で紹介されたことがあります。しかし、それから間もなくして開催されたモントリオール五輪(1976年)の100m自由形決勝では、アメリカのジム・モンゴメリーが50秒の壁を破り、49秒99という記録を出して優勝しました。
このようなことを考えると、栄養素やカロリーについての情報は多いのですが、それを食す時の心身の状態と栄養吸収との関係や、食事・活動・休息の順番やタイミングに関する情報がとても少ないことが気になります。
関節をまたいで筋肉が骨についており、筋肉を縮めることで動作が起こります。したがって、しっかりと動作を行うためには、適度な筋肉の強さが必要です。このことは、筋肉を“鍛える”という発想につながります。しかし、動作に影響を及ぼす筋肉同士のバランスを調えるという発想も、忘れてはならないでしょう。