無知の涙という本をご存知でしょうか?作者は永山則夫。1997年48歳で死刑になったあの連続射殺魔の永山則夫です。
永山は父親から育児放棄を受け、極貧の中、荒れた生活を送り学校教育を受けず、逮捕時は読み書きも満足にできなかったそうです。しかし獄中での猛烈な独学で能力を得て、執筆活動を開始。1971年には手記「無知の涙」をはじめ多くの文学作品を発表しています。そして、本の中で無知であることが凄惨な犯行につながったと振り返っています。
ところで死因別死亡割合をみると、ガン、心疾患、脳卒中などの生活習慣病だけで全体の6割を超えていることはよく知られています。交通事故死のニュースをよく目にしますが、交通事故死者数、年間約4500人に対して、上記3つの生活習慣病による死者は63万人を超えています(平成25年)。
原因が生活習慣にあるのが生活習慣病で、その名のとおり自分自身でつくっている病気であるいうことです。「生活習慣病は緩慢なる自殺行為である」という刺激的な表現もありますが、未だに増え続けています。
死に至る習慣であることに実感があれば誰もここに向かっていこうとするはずがありません。知識ではわかっていても自覚症状がないため、気づいたときは手遅れという状況が多いようです。
「知ることとは、行動も伴うことである」という考え方があります。それならば、これも「無知の涙」と表現していいのかもしれません。
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