2020年8月28日金曜日

イノベーション(Swim Partner掲載記事)

                
その時、観衆は妙なものを

目の当たりにしました。

何と一人の選手が、

両手を地面についたのです。

 これは、ある日の新聞広告。

インパクトのある秀作だ。

左から二番目の選手だけが、クラウチングスタートの構えをとり、
観衆は、その不思議な格好を奇異の目で眺めている。
舞台は1896年(明治29年)、第一回アテネオリンピック、男子100m
両手をついているのは優勝したトーマス・バーク(米国)。

1968年メキシコ五輪 男子走り高跳び。優勝したのは、かつて自分の身長さえ超せなかった
ディック・フォスベリー(米国)。
開発途中は嘲笑を受けながら、人類が目にしたことのない「背面跳び」を披露。
当時はフォスベリー跳びとも言われた。いまはハイジャンプの跳び方のスタンダードとなっている。

バタフライが平泳キックだった時代に、ドルフィンキックを考案。
世界記録をつくった競泳の長沢二郎(早大)。
怪我の功名でもあったが、イノベーションは突然降ってくる。

常識を覆す発想で、新しい価値を創り出す。
イノベーター達が開発した技術はいずれも、未来の当たり前へとつながっていく。

コロナ禍はあらゆるものを飲み込み、文化も、ビジネスもうねりの中に巻き込まれていった。
フィットネスクラブの利用者数は半減、スイミングは3割源と聞く。
今だからこそ、誰もが考えなかった新しい発想による取り組みが求められる。
ベビーブームに乗り黙っていても3千人の会員が集まった時代を経験した多くのクラブは
どうしても保守的な思考に陥りがち。誰かに何かをしてもらうのではなく、自らが
考え、知恵を出して命懸けで取り組む姿勢からイノベーションが現れるはず。
それが変化への対応であり、成し遂げたものが生き残るのというのが進化論である。
突然降ってくるからと待っていては何も起こらない。情報、思考、人的交流
勉強・学習など急務ではないが重要なことを 地道に続けるなどの準備があってこそ
降りてくるものである。
それぞれ(個人も法人も)の準備状況はいかに。

写真:2018年7月24日 朝日新聞 大日本印刷の広告

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