2023年6月22日木曜日

姿勢フィットネス ~動きを創る身体感覚~

野村萬斎という狂言師をご存知だろうか。
姿勢や独特の所作から「遠くからでも直ぐに自分だとわかる」と人から言われるそうだ。
彼ほどカラダに軸が通り、所作の安定した人物にお目にかかることは稀である。当然、遠くにいても、大勢の中にいても目立つのだろう。別の視点から見れば、多くの人は少し乱れた姿勢で不安定に立ったり歩いたりしているかもしれない現実があるならば、その際立った所作は、当然、人目を引くだろう。

以前から彼の身体感覚や動作に興味を持って見ている、10年ほど前の朝日新聞に自身の身体動作について語っている記事があった。「日常からどのような状況でも、さっと動けるような立ち方をしている」との本人談。先日のNHKでは、「見事な姿勢で歩いていますね」というアナウンサーに「体が揺れないように歩いている」と答えているシーンを見た。

舞台や稽古、人前だけで、その独特の所作をしているのではなく、日常からそのような身体づくりや動作をしているということであり、それは恐らく意識動作から無意識動作へと繋げ、さらに意識動作で改善するというような無限ループの中で身体システムを働かせているのだろう。

ところで、最近はフィットネスの中で「姿勢づくり」というワードを耳にすることが増えている。姿勢を改善することは腰やひざなど関節痛の改善などにもつながり、美容にもたらす効果も大きいことを考えれば頷ける。
ただ姿勢改善を実現させることは、そう簡単ではないだろう。レッスン時にはある程度できたとしても、それを定着させるためには日常的にも改善メソッドに取り組み、無意識下でも
目標の姿勢や動作ができる必要がある。

生活習慣病の改善と同じで、何よりも大切なことは「習慣化」。
指導者側にも習慣化へと誘うための技法が求められている。















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