教養ではなく「今日、用がある=きょうよう」、教育ではなく「今日、行くところがある=きょういく」というシャレなのですが、実はかなり本質に迫ったメッセージでもあります。
心理学者 多湖輝さんの「100歳になっても脳を元気に動かす習慣術」という著書にある言葉で、「ボケないための頭の使い方を実に巧みに表現した言葉」と、昨年、天声人語でも紹介されました。
用があり、いつも行くところがある人は、生活が活動的で体も頭も常に刺激を受けることになります。一方、用がなく、出かける機会もなくなり、家に閉じこもりがちな生活は、半ば寝たきりのような生活といえます。
脳への刺激も身体活動量も極端に減少してしまい、その環境に適応するように心身は虚弱化に向かいます。まさに寝たきりの予備軍であり、リスクの高い状況となります。
このように考えると、シニアには「きょうよう」と「きょういく」が大切であるということがよくわかります。
それまでとは異なり、リタイア後のライフスタイルの選択について周りの人が関心を示すことは、恐らく少ないでしょう。
しかし、ここは、その後の人生を左右する大きな岐路であり、この選択ほど、本人にとって重要なものはないのかもしれません。
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