動物である人間は、“動ける体” を持っています。立つ、座る、歩く、走る、しゃがむ、手を伸ばす等あたりまえの機能として日々使用しています。
しかし、ひとたび、そのあたりまえの動作が損なわれると、生活は不自由で困難なものへと一変します。そしてこの時、初めて不自由なく動けることの「ありがたさ」を痛感することになります。
誰もが年をとり、大なり小なり動きにくい体へと変わっていきます。しかし、実際には個人差が大きく、元気に活動し続ける人がいる一方で、部屋に閉じこもったり、寝たきりの生活を余儀なくされる人がいることも事実です。
「人の体は適度に使えば都合よく発達し、使わなければ使えない体へと退化していく」という事実があります。年を取ったから動けない体になるというより、年をとった意識が強くなることで体を動かさない生活へと変化する傾向があるのです。それこそが問題です。体を使わないと、動けない体へと変化するからです。
三浦雄一郎さんは70歳を過ぎてから3回もエベレスト登頂に成功しました。地道にトレーニングを続け強い体をつくリ上げたことが大きな成功要因のひとつになったに違いありません。
ところで、ミドルの方には、もうひとつ大きな問題があります。それは、腰やヒザなどに痛みを抱える人がとても多いという事実です。40歳以上では6割以上の人がヒザの痛みや不安を抱えているという報告があります。
当然、痛みがあれば運動や活動そのものができなくなるので問題は深刻です。弱くなった体や動きにくくなった体を単純に運動で鍛えるという発想だけでは対応できないからです。
腰やヒザなどの痛みには様々な原因が考えられますが、痛くなるような体の使い方をしたことも影響している可能性があります。しかし、多くの場合、動作に原因が潜んでいることに気づくことは少なく、それ以外の方法で対応されることが多いかもしれません。
原因が体の使い方にあるならば、それに気づき、使い方を変える以外に対応方法はありません。また、日常の偏った体の使い方で体がゆがんでいいたり、ゆがんだ体で運動することでヒザや腰などを痛めてしまう可能性もあります。
クオリティ・オブ・ライフという言葉がありますが、いつまでも自由に好きなことを続けられることは幸せなことです。動ける体が未来を支えるという事実とともに、動ける体づくりにはちょっとしたコツがあることも知っていただければ幸いです。
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